2012年01月27日
’89『ディスコティッククラブ・オデッセイ』/GOEMONに捧ぐ
2006年11月17日(金) 00:00 ▼コメント:40件
どなたか、Gグループに突っ込んでくれる方いらっしゃいませんかぁ。言いたいこと、いっぱいあるのにぃ。思い入れあるなんてのは、ワタシだけなのかしらん。
済みません。嘘ついてしまいました。たった今かえってきたばかりでございます。本日のブログ更新はあきらめました。ネタが重くてですね、アップにパワーが必要です。コメントだけ返して、これから寝ます。(現在11/18 07:44)
札幌でお座敷がかかっていますので、ちょっくら行って参ります。それゆえ、本日これ以降のコメントはできませぬ。明日の午前4時頃再会いたしましょう。新記事アップは何時になるか。
さあ、思い出バナシを語ってくれよ
昨晩のフラガール、ほぼ満員。蒼井優のダンスは素晴らしいし、松雪泰子のやさぐれ具合も最高。けれどね、作品全体としては期待ほどではありませんでした。嫌われ松子の一生、のほうが出来が良かった。そんな印象です。
でも、CHINEとかちで延長が決まったようです。確認して、ご覧になってみてください。
Gグループから独立したメンズショップTが閉店セールなんですね。先ほど偶然通りがかって、新聞広告見て、感慨ひとしおでした。Gグループのときは、一階がNでしてね。二階がT。どちらの方々とも仲良くしていただきました。
NにいたMちゃんが今、繁盛してる喫茶Uをやってらっしゃる。
わっかるかなぁ、わっかんねぇだろうなぁ。
Gグループの変調はNの単独店舗失敗が象徴的でしたね。
エレベータを四階に上がる途中で、人民帽をかぶった。三年前、上海のデパートで買ったものだ。
「なに、それ」裕美子は驚いた顔をする。
「一応、パーティーだからさ。一寸ヘンでいいでしょ」
「かなり、変」笑った。襟の白いフェイクファーが可愛らしい。
ジーンズショップGの恒例クリスマス・パーティは、客も従業員も楽しめる素敵なイベント。Gのオーナー、関谷さんが偉いんだろうな。だから、チケットはいつも売り切れ。
ボクは毎年Nのますみちゃんにお願いして、キープしてもらっていた。普段の付き合いってのが活きるってもの。
受け付けを済ませる。既にもう『オデッセイ』のフロアは一杯で、踊ってる、踊ってる。七月に『コスミックプレス・パラディウム』から名称を変えた理由はなんなのだろう。確かに「プレイス」じゃなくて「プレス」ってのは、訳わかんなかったけど。
ドレスっぽいのでめかしこんでいる女のコが結構多い。タキシードなんてのもいる。Rじゃなくて、Gでジーンズを買う人間の矜持ってやつかな。おっしゃれー度が高い。
ごちゃごちゃになりながら、飲んだり、食べたり、踊ったり。そのうち、イベントも始まる。今年はなんだろう。
MCが声を張り上げる。
「ゆでたまごの、早喰い競争でーす。参加希望者はステージ前にどうぞー」
ボクもステージ前に向かう。競争率は高い。選ばれるのはMCの目に入った人間。彼には面識なかったのだけれど。でもNのお姉さんたちのお陰で、ステージに上げてもらえた。やっぱり、関係者にコネがあると強い。
ステージに乗ったのは、名前は知らないけど、GやTで服を選んだり、店員と和んだりしてるのをよく見かけるってのが、4人。あとは、知らない女のコ。ボクをいれて6人の争い。
「Iくーん、がんばってえー」と応援してくれる裕美子やN軍団に手を振る。恥ずかしいけど、こんな時照れちゃいけない。オーバー過ぎるリアクションが相応しい。
「ルールは、殻付のゆでたまごを5個、一番早く食べ終えた人が優勝でーす。もちろん、殻はむいて構いませーん。優勝の景品はアビレックスのA2ジャンパー!!」
「キャー」と悲鳴があがる。時価十万円の代物だ。思い切ったなあ、関谷さん。問屋さんも泣いているかも。こりゃあ、張り切っちゃうよね。
「じゃー、早速いきまーす。まだ、たまごには手を触れないで、くださーい。はいはい。さあ、アビレックス目指してー。レディー!ゴウ!」
一斉にテーブルのゆで卵に手を伸ばす。殻をテーブルに打ち付けて割り、急いで剥がす。そして、口に入れる。
ここまでは、皆一緒だった。ボクはモグモグしながら、次ぎの卵を割りにかかった。ところが、他の皆は口を動かすばかりで、割る動作に入らない。
混乱した。まさか、ルールに一個食べ終えるまで、次ぎの卵に手を付けちゃだめ、なんてのがあるのだろうか。いや、そんなこと言われてないはず。ボクは食べつつ、割り続けた。どんどん差は開く。
5個目の卵を飲み下してから、右手をグウの形にして、振り上げる。あっけなく優勝。裕美子とN軍団が大騒ぎしているのが、わかった。
「おめでとー、ございまーす」
MCがA2ジャンパーをかけてくれようとする。キャメルのジャケットを脱いで、A2に袖を通す。ずっしり重い。皮のいい香りがした。
また、パーティーはもとの喧騒に戻って、それぞれが楽しんでいるように見える。不時着した宇宙船をモチーフにした内装。その中で奏でられる壮大な叙事詩。
ミラーボールの光りに照らされて、現代の吟遊詩人たちは踊り、笑い、酔い、語っている。バブルといわれる時代をボクらは生きている。いつ破裂するか、なんて考えちゃいない。ただ、今だけを楽しめればそれでいい。
裕美子は友達のところに行ってしまい、ボクはひとりでフロアを眺めていた。傍らに短いスカートのロングソバージュが近寄って来る。早食いに参加してたコだと気付いた。
「私、あなたの十七年後が見えるわ」
ボクはのけぞりつつ、尋ねた。
「なんで、十七年後なの」
「ニ〇〇六年はね……」
彼女は唇を舐めた。
「私が生まれた年」
卒倒しそうだ。
「驚いた?」
「当然!」
コメント(40件)
11-17 00:11
maikyon
デスコでフィーバーしてバッチグー!
フードファイターはこうして生まれたのか…。
11-17 02:11
cask
私も若い頃デスコでフィバってました!
オデッセイもっその1つです。
高校生の時に、お姉さまと仲良くなり・・・
そんな思い出が・・・
11-17 04:40
市川 秀一
>maikyon師
ワタシ、ディスコでフィーバーという感じではなかったですね。常にガラス一枚隔てて、そこに存在しておりました。心象風景としては。
>cask さま
そうですか。青春真っ只中、でございますね。実はディスコネタもう一件仕込んであるんです。そこはどこでしょうね。
11-17 08:23
おきがる
おきがるも、このディスコ世代です。
もう一つのディスコネタ楽しみにしてます(^^♪
11-17 08:33
bonnhaha
ディスコ知らない世代だ(グスッ)
でも、なんか、読んでいてドキドキしました。
簡単な感想・・。
11-17 09:28
OZ
私も若かりし頃よく通いました、懐かしいほろ苦い思い出ですね。
シリーズの続きをお待ちしてます。
11-17 19:36
cask
デスコネタなんでせう。
パラディウム、アイランド、ロコモーション、何か色々ありましたな・・・
ダブ・アンダー・ザ・グラウンドか?
11-17 21:12
月水(ツキミ)
オデッセイは何度かパーティで行きました
とある夏の夜のパーティー
視線と誘惑とお酒が蒸した店内を更に熱くさせました
何のお祝いだったか誰がやったのか、ビールかけが始まり
盛り上がりは最高潮に、私も頭からかぶりました
ビールかけ体験は今のところアレ一回だけ;いい思い出です
普通の店なら怒られますよねぇ(笑)
そして教訓「汗ばんだ季節にビールはかぶるものではナイ」
もれなく納豆のような香りに全身が包まれます・・・Orz
11-18 07:57
市川 秀一
>おきがる さま
ディスコ・クィーンでございますか。ワタシはひたすら遠くから崇めるばかりでございましたでしょう。もうひとつのディスコは伝説のディスコかも。
>bonnhaha さま
この創作の終わり方は、ワタシの実験というか遊びですね。混乱させるばかりで、効果としては今四くらいかと。でも直すつもりはございません。
>OZ さま
ワタシ想像するにマイとかちのユーザー、あるいはROM専の方々共々、30歳代後半から40歳代の方のボリューム結構高いのではないかと。
>cask さま
ダヴ?! それこそカタギの人間は入れたのでしょ。そんな店に出入りされていた貴殿は立派な”不良”でございますね。
ね、眠い。死にそうだ。
>月水(ツキミ) さま
ああねぇ。貴女の年齢でオデッセイとなれば、デビューが早かったのでございますね。それこそ、中学デビューでございますか。
”誘惑”は英訳すると”temptation”。故本田美奈子さまの歌でございましたが、ご存知? で、どんな誘惑でございました?甘かった? 苦かった? 酸っぱかった? おホホ。
11-18 08:23
bonnhaha
あ・・よかった♪
えぇ、えぇ、直さなくて。
あの、終わりの???が無かったら、
私には、つまらない、読み物でしたよ。
多分ね。別な感想持ったかな・・さあ、どうかな。
11-18 12:08
市川 秀一
>bonnhaha さま
こういったオチの付けかたもアリなんでしょうが、下手糞とそしられても、仕様がございませんね、という無惨さ。
出来の悪い子ほど、かわいいとはよくいったものです。自身を作品に投影してしまうのでしょうね。理解されなくても、それは自分の責任だよね、っていう。
11-18 14:10
cask
市川様、寝不足ですねww
あなたはタフな方だ。デスコも現役では?
11-18 14:21
市川 秀一
>cask さま
カタギの人間は入れませんでしょ、の誤りでございます。謹んで訂正させていただきます。
美味しいお酒、嬉しゅうございました。
懐古的なディスコ・パーティーが結構盛り上がっているようで、ワタシ世代が活躍しているとか。恐ろしくて行けたものでは、ありません。まさに(元)不良の巣窟と考えております。
11-18 20:09
cask
氷割を終了しますた。
私は何ざんしょ、堅気って(;・∀・)
楽しく過ごさせていただきました。
また是非機会をお願いします。
言いたい放題に言ったと思うのですが記憶が(;´Д`)
デスコといえばソウルパーテーが30代後半から40代で結構な集客してるようですな。
飲食店が主催されてるようですが、それだけ集客あるなら店の売上は少なくてもやってけるのでは
11-19 00:20
市川 秀一
>cask さま
先ほどアップした、レストランバー モンヴィルさまもロックには丸氷を使用されてましたわ、そういえば。
折角の14年熟成シングルモルトなのに、ロックにしちゃう”贅沢な”呑み方をお隣さんはされてました。
ブラックネスさんね。三浦さんは中学のコワーイ先輩でした。失われた街角”ルードボーイ”で取り上げたエピソードは宮本ビル時代の彼の口から聞いたハズです。
11-19 15:23
cask
丸氷は手で割ったものでしょうか。
自動製氷機で丸氷が作れるものもあります。
市川様、私の名前の由来カスクをご存知でしょうか。
cask=樽なのですが、通常ウイスキーでカスクといえば原酒です。
cask strength = 樽同士をバッティングした原酒で加水をしない。
single cask = 1つの樽のみでの原酒。もちろん加水なし。瓶詰数が極端に少ない。美味しいものも多い。
冷やすという事は味が出ない。氷を入れるという事は加水と同じでまず、本来の味を味わってない。加水する事で全く味が変わる、変わる前の味を楽しんでから加水するのが筋と私は思ってます。
デスコでナンパしてた時期が懐かしい。
出来れば当時に戻って人生をやり直したい。
いや、中学生時代まで遡りたいww
11-19 17:32
市川 秀一
>cask さま
戻り杉ですってば。
モンヴィルさんは、69名収容なんですよぉ。自店では作業してないんじゃないかな。綺麗な氷ではありましたが、削りではないような。
フロム・ザ・バレルはシングル・カスクと同義になるのかしら。
11-20 10:43
cask
最近では丸氷の他に、カチ割り氷っぽいのもありますね。作業を考えると製氷機は作り物とはバレますが良い仕事をしてくれるでしょう。
バレルも樽と同義語でしょう。
しかし、バーボンの場合は樽詰する時点で加水をしてる訳で、カスクとは異なるかと。
シングルモルトの場合はシングルカスクと同義になるかと思いますが。
11-21 06:46
市川 秀一
>cask さま
バーボンまで、いってしまわれたか。でも、ピュア・モルトってのは不思議な表現でございますなぁ。
11-21 15:37
cask
サントリー山崎は、ピュアモルトを謳ってましたが、去年辺りからいきなりシングルモルトと宣伝し始めました。
何ですか?
こういうのもウイスキーにおいては許せない。
良いビールは造ってるのにね
11-21 20:34
市川 秀一
>cask さま
お、ぢゃあ、ピュアモルト消滅かぁ。ほほほ。折角考えたのにねぇ。
11-21 20:56
cask
まぁ、サントリーにとっちゃウイスキーなんて遊びに過ぎないかもね。
儲け方が他のビール会社の非じゃありませんからね。
輸入量も凄いでしょ。
ある意味、ビールが凄い。
ビール部門が出来てから40年間連続赤字。
酒類メーカーのトップとしては、ビールが負けてるのは悔しいんですかね。採算度返しですから。
モンド賞受賞って謳ってますが、モンド賞って2流企業が受賞する賞ですからね。それを宣伝文句にしてしまうのがまた凄い。普通なら恥ずかしくて出来ませんよ。小さな菓子メーカーとかが受賞するような賞ですし
11-21 22:04
市川 秀一
>cask さま
ええっ。モンド賞ってビールもあるの。じゃあ、旭川の男山が連続受賞している国際酒類コンクールってのは。
11-21 22:18
cask
どうなんでしょうね、そんなの名乗ってるのも男山くらいではないでしょうか。
国内での評価をもっと気にした方が良いのでは??
11-21 22:32
市川 秀一
>cask さま
ワタシ、日頃日本酒は月桂冠・辛口派か月を。正月は男山・純米生酛に決めてます。選ぶの面倒で。
11-21 22:36
cask
男山生酛は非常にコストパフォーマンスに優れてると思います。私もたまに呑みますよ。
本当は十勝に蔵元あればねー贔屓にするのに。
月桂冠はよくわかんないだす。
ボロネーゼ美味いっす。
残り物のワインにしては上出来ですな。
11-21 22:38
市川 秀一
>cask さま
そりゃ、結構。ワタシはもう寝る。さて、明日は記事アップできるかね。
11-21 22:44
cask
出来れば毎日お願いしたい。
ではおやすみなさい
11-22 05:33
市川 秀一
>cask さま
おはようございます。連続8日目の鬼アップの準備にかかります。今日は午前8時頃を予定。
11-22 11:22
みっき-
ディスコかぁ・・・・・・(ニャ)
11-22 14:18
cask
ディスコじゃなく、デスコですw
市川様お疲れですた。
11-23 09:05
市川 秀一
>みっき- さま
さすが、必殺遊び人でございますね。
>cask さま
ここでコメントした時点では、2記事アップを想定しておりませんでした。最後の記事はまさに蛇足ですが、ちょっと実験してみたかった。
なぜに、デスコにこだわるの?
11-23 13:34
cask
デスコ、パンテー、シーデー(CD)、オッサンは小さいィを発音しない。
うちの親父がそうなんですが、年寄りを意識しました。
夢プラザが50コメントを超えレス出来ません(;・∀・)
11-23 17:49
市川 秀一
>cask さま
なるほど。アチコチにカキコしてますが、体力が回復しません。今日は酒を呑まずに豚汁で乾杯です。
総コメントに占める貴殿の占有率は3割を超えるかと。ワタシのレスコメ除いたら、もっと高いかも。
11-24 00:06
cask
そんな市川様にレスしてるかなぁ?
昨日は何だかんだで、色々味見しましたしね、地味に量は飲んでるかもですな。
3割は言い過ぎなのでは。確かに食いつきは誰よりも良いかと思いますがw
他の記事でのビガー、あれ、流行ましたね。
直列5気筒、ワインレッドがCMで使われたんでしたっけ。
ゴルフの見積もり、当時のイシハラはVWがあったから良かった。まだバブリーな時代、ベンツも売れてましたしね
11-24 06:30
市川 秀一
>cask さま
残念でした。五気筒フロントミッドシップビガーぢゃなくて、リトラクタブルライト4気筒の方。古い型式のほうですね。
レスはね、多いよ。数えてごらんなさいましな。
11-24 21:07
cask
あ、わかりました、
ちょうどあの時期プレリュードもリトラクタブル。
あの時代からセダンのくせに結構なパワーを持ってましたな。
私、ホンダ車はレースでしか乗ったことがありません。
レスは数えるのは面倒なんで、市川様を信用することにしましたww
11-24 23:01
市川 秀一
>cask さま
リトラクタブルになる前の、メルツェデス・コンプレックス(←徳大寺有恒)の強いスタイルのプレリュードにも乗ってました。
紅いヤツ。ゴールドのホイールで。
11-25 04:01
cask
ナツカシス!
ゴールドのホイルはメッシュ?
ホンダ好きなんですな。現在もホンダですか?
11-25 09:01
市川 秀一
>cask さま
メッシュ!!! そうそう。あはは。ホンダファンだったのですが、現在は諸般の事情で日産車でございます。
普段運転しなくなったせいか、割とクルマ、どうでもよくなってきましたね。
どなたか、Gグループに突っ込んでくれる方いらっしゃいませんかぁ。言いたいこと、いっぱいあるのにぃ。思い入れあるなんてのは、ワタシだけなのかしらん。
済みません。嘘ついてしまいました。たった今かえってきたばかりでございます。本日のブログ更新はあきらめました。ネタが重くてですね、アップにパワーが必要です。コメントだけ返して、これから寝ます。(現在11/18 07:44)
札幌でお座敷がかかっていますので、ちょっくら行って参ります。それゆえ、本日これ以降のコメントはできませぬ。明日の午前4時頃再会いたしましょう。新記事アップは何時になるか。
さあ、思い出バナシを語ってくれよ
昨晩のフラガール、ほぼ満員。蒼井優のダンスは素晴らしいし、松雪泰子のやさぐれ具合も最高。けれどね、作品全体としては期待ほどではありませんでした。嫌われ松子の一生、のほうが出来が良かった。そんな印象です。
でも、CHINEとかちで延長が決まったようです。確認して、ご覧になってみてください。
Gグループから独立したメンズショップTが閉店セールなんですね。先ほど偶然通りがかって、新聞広告見て、感慨ひとしおでした。Gグループのときは、一階がNでしてね。二階がT。どちらの方々とも仲良くしていただきました。
NにいたMちゃんが今、繁盛してる喫茶Uをやってらっしゃる。
わっかるかなぁ、わっかんねぇだろうなぁ。
Gグループの変調はNの単独店舗失敗が象徴的でしたね。
エレベータを四階に上がる途中で、人民帽をかぶった。三年前、上海のデパートで買ったものだ。
「なに、それ」裕美子は驚いた顔をする。
「一応、パーティーだからさ。一寸ヘンでいいでしょ」
「かなり、変」笑った。襟の白いフェイクファーが可愛らしい。
ジーンズショップGの恒例クリスマス・パーティは、客も従業員も楽しめる素敵なイベント。Gのオーナー、関谷さんが偉いんだろうな。だから、チケットはいつも売り切れ。
ボクは毎年Nのますみちゃんにお願いして、キープしてもらっていた。普段の付き合いってのが活きるってもの。
受け付けを済ませる。既にもう『オデッセイ』のフロアは一杯で、踊ってる、踊ってる。七月に『コスミックプレス・パラディウム』から名称を変えた理由はなんなのだろう。確かに「プレイス」じゃなくて「プレス」ってのは、訳わかんなかったけど。
ドレスっぽいのでめかしこんでいる女のコが結構多い。タキシードなんてのもいる。Rじゃなくて、Gでジーンズを買う人間の矜持ってやつかな。おっしゃれー度が高い。
ごちゃごちゃになりながら、飲んだり、食べたり、踊ったり。そのうち、イベントも始まる。今年はなんだろう。
MCが声を張り上げる。
「ゆでたまごの、早喰い競争でーす。参加希望者はステージ前にどうぞー」
ボクもステージ前に向かう。競争率は高い。選ばれるのはMCの目に入った人間。彼には面識なかったのだけれど。でもNのお姉さんたちのお陰で、ステージに上げてもらえた。やっぱり、関係者にコネがあると強い。
ステージに乗ったのは、名前は知らないけど、GやTで服を選んだり、店員と和んだりしてるのをよく見かけるってのが、4人。あとは、知らない女のコ。ボクをいれて6人の争い。
「Iくーん、がんばってえー」と応援してくれる裕美子やN軍団に手を振る。恥ずかしいけど、こんな時照れちゃいけない。オーバー過ぎるリアクションが相応しい。
「ルールは、殻付のゆでたまごを5個、一番早く食べ終えた人が優勝でーす。もちろん、殻はむいて構いませーん。優勝の景品はアビレックスのA2ジャンパー!!」
「キャー」と悲鳴があがる。時価十万円の代物だ。思い切ったなあ、関谷さん。問屋さんも泣いているかも。こりゃあ、張り切っちゃうよね。
「じゃー、早速いきまーす。まだ、たまごには手を触れないで、くださーい。はいはい。さあ、アビレックス目指してー。レディー!ゴウ!」
一斉にテーブルのゆで卵に手を伸ばす。殻をテーブルに打ち付けて割り、急いで剥がす。そして、口に入れる。
ここまでは、皆一緒だった。ボクはモグモグしながら、次ぎの卵を割りにかかった。ところが、他の皆は口を動かすばかりで、割る動作に入らない。
混乱した。まさか、ルールに一個食べ終えるまで、次ぎの卵に手を付けちゃだめ、なんてのがあるのだろうか。いや、そんなこと言われてないはず。ボクは食べつつ、割り続けた。どんどん差は開く。
5個目の卵を飲み下してから、右手をグウの形にして、振り上げる。あっけなく優勝。裕美子とN軍団が大騒ぎしているのが、わかった。
「おめでとー、ございまーす」
MCがA2ジャンパーをかけてくれようとする。キャメルのジャケットを脱いで、A2に袖を通す。ずっしり重い。皮のいい香りがした。
また、パーティーはもとの喧騒に戻って、それぞれが楽しんでいるように見える。不時着した宇宙船をモチーフにした内装。その中で奏でられる壮大な叙事詩。
ミラーボールの光りに照らされて、現代の吟遊詩人たちは踊り、笑い、酔い、語っている。バブルといわれる時代をボクらは生きている。いつ破裂するか、なんて考えちゃいない。ただ、今だけを楽しめればそれでいい。
裕美子は友達のところに行ってしまい、ボクはひとりでフロアを眺めていた。傍らに短いスカートのロングソバージュが近寄って来る。早食いに参加してたコだと気付いた。
「私、あなたの十七年後が見えるわ」
ボクはのけぞりつつ、尋ねた。
「なんで、十七年後なの」
「ニ〇〇六年はね……」
彼女は唇を舐めた。
「私が生まれた年」
卒倒しそうだ。
「驚いた?」
「当然!」
コメント(40件)
11-17 00:11
maikyon
デスコでフィーバーしてバッチグー!
フードファイターはこうして生まれたのか…。
11-17 02:11
cask
私も若い頃デスコでフィバってました!
オデッセイもっその1つです。
高校生の時に、お姉さまと仲良くなり・・・
そんな思い出が・・・
11-17 04:40
市川 秀一
>maikyon師
ワタシ、ディスコでフィーバーという感じではなかったですね。常にガラス一枚隔てて、そこに存在しておりました。心象風景としては。
>cask さま
そうですか。青春真っ只中、でございますね。実はディスコネタもう一件仕込んであるんです。そこはどこでしょうね。
11-17 08:23
おきがる
おきがるも、このディスコ世代です。
もう一つのディスコネタ楽しみにしてます(^^♪
11-17 08:33
bonnhaha
ディスコ知らない世代だ(グスッ)
でも、なんか、読んでいてドキドキしました。
簡単な感想・・。
11-17 09:28
OZ
私も若かりし頃よく通いました、懐かしいほろ苦い思い出ですね。
シリーズの続きをお待ちしてます。
11-17 19:36
cask
デスコネタなんでせう。
パラディウム、アイランド、ロコモーション、何か色々ありましたな・・・
ダブ・アンダー・ザ・グラウンドか?
11-17 21:12
月水(ツキミ)
オデッセイは何度かパーティで行きました
とある夏の夜のパーティー
視線と誘惑とお酒が蒸した店内を更に熱くさせました
何のお祝いだったか誰がやったのか、ビールかけが始まり
盛り上がりは最高潮に、私も頭からかぶりました
ビールかけ体験は今のところアレ一回だけ;いい思い出です
普通の店なら怒られますよねぇ(笑)
そして教訓「汗ばんだ季節にビールはかぶるものではナイ」
もれなく納豆のような香りに全身が包まれます・・・Orz
11-18 07:57
市川 秀一
>おきがる さま
ディスコ・クィーンでございますか。ワタシはひたすら遠くから崇めるばかりでございましたでしょう。もうひとつのディスコは伝説のディスコかも。
>bonnhaha さま
この創作の終わり方は、ワタシの実験というか遊びですね。混乱させるばかりで、効果としては今四くらいかと。でも直すつもりはございません。
>OZ さま
ワタシ想像するにマイとかちのユーザー、あるいはROM専の方々共々、30歳代後半から40歳代の方のボリューム結構高いのではないかと。
>cask さま
ダヴ?! それこそカタギの人間は入れたのでしょ。そんな店に出入りされていた貴殿は立派な”不良”でございますね。
ね、眠い。死にそうだ。
>月水(ツキミ) さま
ああねぇ。貴女の年齢でオデッセイとなれば、デビューが早かったのでございますね。それこそ、中学デビューでございますか。
”誘惑”は英訳すると”temptation”。故本田美奈子さまの歌でございましたが、ご存知? で、どんな誘惑でございました?甘かった? 苦かった? 酸っぱかった? おホホ。
11-18 08:23
bonnhaha
あ・・よかった♪
えぇ、えぇ、直さなくて。
あの、終わりの???が無かったら、
私には、つまらない、読み物でしたよ。
多分ね。別な感想持ったかな・・さあ、どうかな。
11-18 12:08
市川 秀一
>bonnhaha さま
こういったオチの付けかたもアリなんでしょうが、下手糞とそしられても、仕様がございませんね、という無惨さ。
出来の悪い子ほど、かわいいとはよくいったものです。自身を作品に投影してしまうのでしょうね。理解されなくても、それは自分の責任だよね、っていう。
11-18 14:10
cask
市川様、寝不足ですねww
あなたはタフな方だ。デスコも現役では?
11-18 14:21
市川 秀一
>cask さま
カタギの人間は入れませんでしょ、の誤りでございます。謹んで訂正させていただきます。
美味しいお酒、嬉しゅうございました。
懐古的なディスコ・パーティーが結構盛り上がっているようで、ワタシ世代が活躍しているとか。恐ろしくて行けたものでは、ありません。まさに(元)不良の巣窟と考えております。
11-18 20:09
cask
氷割を終了しますた。
私は何ざんしょ、堅気って(;・∀・)
楽しく過ごさせていただきました。
また是非機会をお願いします。
言いたい放題に言ったと思うのですが記憶が(;´Д`)
デスコといえばソウルパーテーが30代後半から40代で結構な集客してるようですな。
飲食店が主催されてるようですが、それだけ集客あるなら店の売上は少なくてもやってけるのでは
11-19 00:20
市川 秀一
>cask さま
先ほどアップした、レストランバー モンヴィルさまもロックには丸氷を使用されてましたわ、そういえば。
折角の14年熟成シングルモルトなのに、ロックにしちゃう”贅沢な”呑み方をお隣さんはされてました。
ブラックネスさんね。三浦さんは中学のコワーイ先輩でした。失われた街角”ルードボーイ”で取り上げたエピソードは宮本ビル時代の彼の口から聞いたハズです。
11-19 15:23
cask
丸氷は手で割ったものでしょうか。
自動製氷機で丸氷が作れるものもあります。
市川様、私の名前の由来カスクをご存知でしょうか。
cask=樽なのですが、通常ウイスキーでカスクといえば原酒です。
cask strength = 樽同士をバッティングした原酒で加水をしない。
single cask = 1つの樽のみでの原酒。もちろん加水なし。瓶詰数が極端に少ない。美味しいものも多い。
冷やすという事は味が出ない。氷を入れるという事は加水と同じでまず、本来の味を味わってない。加水する事で全く味が変わる、変わる前の味を楽しんでから加水するのが筋と私は思ってます。
デスコでナンパしてた時期が懐かしい。
出来れば当時に戻って人生をやり直したい。
いや、中学生時代まで遡りたいww
11-19 17:32
市川 秀一
>cask さま
戻り杉ですってば。
モンヴィルさんは、69名収容なんですよぉ。自店では作業してないんじゃないかな。綺麗な氷ではありましたが、削りではないような。
フロム・ザ・バレルはシングル・カスクと同義になるのかしら。
11-20 10:43
cask
最近では丸氷の他に、カチ割り氷っぽいのもありますね。作業を考えると製氷機は作り物とはバレますが良い仕事をしてくれるでしょう。
バレルも樽と同義語でしょう。
しかし、バーボンの場合は樽詰する時点で加水をしてる訳で、カスクとは異なるかと。
シングルモルトの場合はシングルカスクと同義になるかと思いますが。
11-21 06:46
市川 秀一
>cask さま
バーボンまで、いってしまわれたか。でも、ピュア・モルトってのは不思議な表現でございますなぁ。
11-21 15:37
cask
サントリー山崎は、ピュアモルトを謳ってましたが、去年辺りからいきなりシングルモルトと宣伝し始めました。
何ですか?
こういうのもウイスキーにおいては許せない。
良いビールは造ってるのにね
11-21 20:34
市川 秀一
>cask さま
お、ぢゃあ、ピュアモルト消滅かぁ。ほほほ。折角考えたのにねぇ。
11-21 20:56
cask
まぁ、サントリーにとっちゃウイスキーなんて遊びに過ぎないかもね。
儲け方が他のビール会社の非じゃありませんからね。
輸入量も凄いでしょ。
ある意味、ビールが凄い。
ビール部門が出来てから40年間連続赤字。
酒類メーカーのトップとしては、ビールが負けてるのは悔しいんですかね。採算度返しですから。
モンド賞受賞って謳ってますが、モンド賞って2流企業が受賞する賞ですからね。それを宣伝文句にしてしまうのがまた凄い。普通なら恥ずかしくて出来ませんよ。小さな菓子メーカーとかが受賞するような賞ですし
11-21 22:04
市川 秀一
>cask さま
ええっ。モンド賞ってビールもあるの。じゃあ、旭川の男山が連続受賞している国際酒類コンクールってのは。
11-21 22:18
cask
どうなんでしょうね、そんなの名乗ってるのも男山くらいではないでしょうか。
国内での評価をもっと気にした方が良いのでは??
11-21 22:32
市川 秀一
>cask さま
ワタシ、日頃日本酒は月桂冠・辛口派か月を。正月は男山・純米生酛に決めてます。選ぶの面倒で。
11-21 22:36
cask
男山生酛は非常にコストパフォーマンスに優れてると思います。私もたまに呑みますよ。
本当は十勝に蔵元あればねー贔屓にするのに。
月桂冠はよくわかんないだす。
ボロネーゼ美味いっす。
残り物のワインにしては上出来ですな。
11-21 22:38
市川 秀一
>cask さま
そりゃ、結構。ワタシはもう寝る。さて、明日は記事アップできるかね。
11-21 22:44
cask
出来れば毎日お願いしたい。
ではおやすみなさい
11-22 05:33
市川 秀一
>cask さま
おはようございます。連続8日目の鬼アップの準備にかかります。今日は午前8時頃を予定。
11-22 11:22
みっき-
ディスコかぁ・・・・・・(ニャ)
11-22 14:18
cask
ディスコじゃなく、デスコですw
市川様お疲れですた。
11-23 09:05
市川 秀一
>みっき- さま
さすが、必殺遊び人でございますね。
>cask さま
ここでコメントした時点では、2記事アップを想定しておりませんでした。最後の記事はまさに蛇足ですが、ちょっと実験してみたかった。
なぜに、デスコにこだわるの?
11-23 13:34
cask
デスコ、パンテー、シーデー(CD)、オッサンは小さいィを発音しない。
うちの親父がそうなんですが、年寄りを意識しました。
夢プラザが50コメントを超えレス出来ません(;・∀・)
11-23 17:49
市川 秀一
>cask さま
なるほど。アチコチにカキコしてますが、体力が回復しません。今日は酒を呑まずに豚汁で乾杯です。
総コメントに占める貴殿の占有率は3割を超えるかと。ワタシのレスコメ除いたら、もっと高いかも。
11-24 00:06
cask
そんな市川様にレスしてるかなぁ?
昨日は何だかんだで、色々味見しましたしね、地味に量は飲んでるかもですな。
3割は言い過ぎなのでは。確かに食いつきは誰よりも良いかと思いますがw
他の記事でのビガー、あれ、流行ましたね。
直列5気筒、ワインレッドがCMで使われたんでしたっけ。
ゴルフの見積もり、当時のイシハラはVWがあったから良かった。まだバブリーな時代、ベンツも売れてましたしね
11-24 06:30
市川 秀一
>cask さま
残念でした。五気筒フロントミッドシップビガーぢゃなくて、リトラクタブルライト4気筒の方。古い型式のほうですね。
レスはね、多いよ。数えてごらんなさいましな。
11-24 21:07
cask
あ、わかりました、
ちょうどあの時期プレリュードもリトラクタブル。
あの時代からセダンのくせに結構なパワーを持ってましたな。
私、ホンダ車はレースでしか乗ったことがありません。
レスは数えるのは面倒なんで、市川様を信用することにしましたww
11-24 23:01
市川 秀一
>cask さま
リトラクタブルになる前の、メルツェデス・コンプレックス(←徳大寺有恒)の強いスタイルのプレリュードにも乗ってました。
紅いヤツ。ゴールドのホイールで。
11-25 04:01
cask
ナツカシス!
ゴールドのホイルはメッシュ?
ホンダ好きなんですな。現在もホンダですか?
11-25 09:01
市川 秀一
>cask さま
メッシュ!!! そうそう。あはは。ホンダファンだったのですが、現在は諸般の事情で日産車でございます。
普段運転しなくなったせいか、割とクルマ、どうでもよくなってきましたね。
’80 樹 林(喫茶店)
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Posted by きむらまどか at 07:23│Comments(2)
│創作・失われた街角
この記事へのコメント
御成門卒の人間です。高校生時代に週2-3回通ってました。店長は先輩、マネージャーはあっちの方でした。
Posted by 新橋職人 at 2019年07月07日 14:19
銀座7-8丁目のディスコオデッセイに通ってたのは1970年代後半です。
Posted by 新橋職人 at 2019年07月07日 14:33